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4. 洋上LNG受入・貯蔵(・ガス化)設備
(LNG FSO & LNG FSRU)
FS0;Floating Storage & Offloading unit
FSRU:Floating Storage & Regasification Unit
洋上LNG受入・貯蔵設備(LNG FSO)はLNG受入れターミナルとしてLNG船からLNGを受入れ貯蔵後LNGのまま陸上に送るか、または他の地域分配用に他のLNG船に積出すための設備である。SPBタンクは既述の特徴、すなわち半裁(中間液位)状態でスロッシング関係の問題が無い、風圧面積が小さい、検査・保守が容易等のため本設備にも最適のタンクであり洋上、防波堤内等の設置場所を問わず立地条件に合わせて各種係留・設置方法(一点係留、ドルフィン係留、ドック/防波堤内係留)を採用することによりLNG受入れ基地の実現を可能とするものである。
図7に示す洋上LNG受入・貯蔵・ガス化設備(LNG FSRU)は上記LNGFSO上にLNGのガス化ブラントを設備しLNG船から受入れだLNGを貯蔵後ガス化して陸上に送る洋上用LNG受入れ設備例で、SPBタンクの上記の特徴に加えて浮体の上甲板に平坦かつ広いプラント設置スペースがとれる利点を生かしたものである。
ガス管の海底設置は充分可能なのでLNG FSRUの設置場所は任意の洋上に選定可能であり、その場所の設置条件に合わせて各種係留・設置方法(一点係留、ドルフィン係留、ドック/防波堤内係留)を採用することにより、低コスト、短工期のガス供給設備を提供できよう。
これらSPBによるFSOと陸上ガス化プラントの組合わせ、あるいはFSRUは、大型の洋上LNG受入れ・貯蔵設備(図8)にもつながる。
これと併せてSPBはボイルオフガスの発生が少ないのでSPBの採用でLNGの再液化も実現し易くなる。
なお、SPB技術の洋上貯蔵タンク適用例としてIHIでは既に図9に示す世界初のLPG貯蔵・積出し設備(LPG FSO)を受注・建造中であり、これはLNG FSO或いはLNG FSRU実現に向けての一つのスナッブである。
5. 陸上用浮体式/着底式LNGタンク(沿岸用タンク等)
5−1. 一般
SPBタンクは各種洋上設置用設備としてその特徴が生かせるだけでなく、陸上用としても以下に述べるように、安全性、コスト、工期の点で適している。
5−2. SPB方式の陸上用LNGタンクに適用した場合の特徴
−大容量化(一基約300,000m3(表1)以上まで)によるコスト低減が可能。
−筒型のため土地面積が少な目ですむ。
−検査・保守が容易。タンク周囲が人の入れるスペースとなっており、

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図7 LNG FSRU

Fig-7. LNG FSRU

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図8 大型洋上LNG受入貯蔵設備

Fi9-8 SPB LNG Large storage(afloat)

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図9 LPG FSO

Fig-9. LPCFSO

表1 陸上SPBタンク寸法例

Table-1 SPB Shore Tank Dimensions

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